不動産売却における契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いも解説

2022-08-08

不動産売却における契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いも解説

この記事のハイライト
●契約不適合責任とは、契約書に記載されていない不備が後から発覚した場合、売主がその責任を負うというもの
●かつて「瑕疵担保責任」だったものが、2020年の民法改正により「契約不適合責任」に改められた
●売主が認識している不備は漏れなく契約書に記載するなどの注意が必要

「不動産を売却したいけれど、どんなときに売主が責任を取らなければいけないのか」など、売却前に不安を感じる方は多くいます。
「契約不適合責任」は、不動産売却をした後に買主と売主との間のトラブルを防ぐために定められたものです。
この記事では、不動産売却前に知っておきたい、契約不適合責任とはなにかと、瑕疵担保責任との違い、また、注意点をご説明いたします。
港南区などの横浜市内で不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。

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不動産売却における契約不適合責任とは?

不動産売却における契約不適合責任とは?

契約不適合責任とは、契約の内容に適合していない不備や欠陥について、売主が負わなければいけない責任のことです。
ここでは契約不適合責任とはなにかについて、ご説明いたします。

契約不適合責任では契約書への記載が重要

契約に適合していないことで買主に不利益が生じた場合、売主に責任が追及されます。
契約に適合しているかどうかは、すべて「契約書に記載があるかどうか」によって判断されます。
たとえば売却した建物に雨漏りやシロアリ被害があったとしても、きちんと契約書にその内容を記載し買主に説明していれば、買主はその欠陥について了承しているとみなされます。
その場合、売主が責任を負う必要はありません。
ただし、契約書に記載していない箇所の雨漏りやシロアリ被害などがあった場合は、契約書の内容と異なるということになり、責任を問われる可能性があります。
このように、契約書にどのようなことが書かれているかが重要となります。

契約不適合責任における買主の5つの権利

契約不適合責任において、買主は以下の5つの権利が認められています。

  • 追完請求
  • 代金減額請求
  • 催告解除
  • 無催告解除
  • 損害賠償請求

追完請求は、後から契約書の内容どおりの完全な状態を求めることです。
具体的には、不備があった箇所の修理を要求することなどがこれに該当します。
それでも売主が従わなかった、もしくは要求を満たすことがそもそも不可能な場合、代金減額請求をされることが多いです。
代金減額請求では、代金を減額させること、つまり売却代金からの値引きを要求することになります。
しかし単純な値引きだけで買主が納得できない場合は、催告解除をすることも可能です。
催告解除とは、買主が「売買契約をなかったことにする」と売主に伝えることです。
また売主からの要求に対し、売主が明らかに従う様子がない場合など、条件を満たせば無催告解除も可能です。
この場合は売主に事前に伝えることなく、すぐに契約を取り消すことができます。
また、損害賠償の請求についても認められていますが、これについては次章でもご説明いたします。
このように買主には多くの権利が認められています。

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不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

2020年に民法が改正される前は、「瑕疵担保責任」と言う制度がありました。
瑕疵(かし)とは欠陥や傷のことで、現在でも不動産業界などで使われている用語です。
ここでは民法改正によって変わった2つの責任の違いをご説明いたします。

違い1:責任の対象

2つの責任では、どのようなことに対して責任を負わなければいけないかという対象が異なります。
瑕疵担保責任では発覚した不備が「隠れた瑕疵」であるかが重要でした。
「隠れた瑕疵」とは、買主が購入前に注意していても見つけられなかった瑕疵という意味です。
しかし瑕疵が隠れていたかどうかは個人の考えによるところが大きいため、判断が難しいのが問題となっていました。
そこで契約不適合責任では契約書への記載を判断基準にすることで、責任の所在が明確にわかるようになっています。

違い2:買主の権利

瑕疵担保責任では、以下の3つを追及できるという買主の権利がありました。

  • 催告解除
  • 無催告解除
  • 損害賠償請求

現行の契約不適合責任では、これらに加え「追完請求」と「代金減額請求」ができる権利が買主に与えられています。
買主の取れる権利が増えたことにより、不備に対してより柔軟な対応が可能となったと言えます。

違い3:損害賠償請求の内容

いずれの責任でも、買主は売主に対して損害賠償を請求することができます。
しかしその内容は異なります。
瑕疵担保責任では売主に過失がなくても請求が可能でした。
しかし契約不適合責任では売主が故意に不備を隠していた場合など、過失がある場合にのみ請求できるようになっています。
ただし、契約不適合責任では瑕疵担保責任のときから認められていた範囲以上の請求ができるようになりました。
たとえば、売却した建物に雨漏りがあるとわかった場合、これまでは雨漏りによって濡れて使い物にならなくなった商品(信頼利益)の代金請求をすることしかできませんでした。
しかし契約不適合責任になってからは、その商品を販売した場合に得られていたはずの利益(履行利益)まで請求できるということです。
損害賠償請求はしにくくなったものの、より広い範囲の請求が可能となりました。

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不動産売却における契約不適合責任の注意点

不動産売却における契約不適合責任の注意点

不動産を売却する際の注意点をご説明いたします。

注意点1:売買契約書の確認

契約不適合責任が発生するかどうかは、売買契約書の記載事項が非常に重要となります。
そのため、把握している不備や欠陥は、漏れなく契約書に記載しておかなければいけません。
もし古い住宅を売却する場合は、売主からの承諾があれば特約によって契約不適合責任を免責することも可能です。
免責するのであれば、契約書にその内容をひとつずつ記載する必要があります。
もし「わざと不備を隠した」とみなされればより責任が重くなるため、不動産会社と相談しながらご自身でも契約書をしっかり確認するようにしましょう。

注意点2:通知期間の設定

契約書において、契約不適合責任の通知期間を前もって決めておくことが大切です。
もし期間を決めておかなければ、売却から長期間経ったあとでも突然責任を追及されることになってしまいます。
個人が売主の場合は、引き渡しから3か月以内の不備について責任を負うようにするのが一般的です。
これは任意の期間となるため、売主と買主が合意できれば好きな期間に設定することが可能です。
ただし、不備を黙っていた場合など、売主に過失があるケースではこの期限は適用されないこともあるため注意が必要です。

注意点3:売主とのコミュニケーションを重視

契約不適合責任は「任意規定」のため、内容の詳細まですべてが法律で決められているわけではありません。
売主と買主の双方が合意していれば、免責する箇所や期間などを自由に設定できます。
たとえば、買主が建物を取り壊すつもりがあるなら、建物状況調査などはおこなわず、建物に関する事項はすべて免責しても問題ないでしょう。
このように買主の目的を満たすのであれば、売主は不要な出費や責任から免れることができます。
買主とコミュニケーションを取りながら、お互いに納得できる契約を交わすことが大切です。

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まとめ

不動産売却における契約不適合責任とはなにか、瑕疵担保責任との違いや注意点をご説明いたしました。
契約不適合責任ではこれまでより契約書の内容が重視されるようになったため、信頼できる不動産会社に売買契約書の作成を依頼すると良いでしょう。
弊社では、港南区を中心とした横浜市全域で不動産売却の実績を積んでおります。
契約不適合責任に関するご不安や疑問は、弊社までお気軽にご相談ください。

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