マンション所有者のための法改正ガイド
2026年のマンション法改正で何が変わった?
所有者が知っておきたい管理と建替えの話
「総会の決議」「建替えの条件」「管理状況の確認」を、分かりやすく整理します。
2026年11月7日時点|主に2026年4月1日施行の改正区分所有法を解説
「総会の参加者が少なく、必要な工事を決めにくい」「建物が古くなってきたけれど、今後どうなるの?」。マンションを所有する方にとって、管理や将来の再生は身近な問題です。
こうした課題に対応するため、マンション関係法が改正され、区分所有法の改正部分は2026年4月1日に施行されました。大切なのは、ご自身のマンションで「何を、どの手続きで決めるのか」を確認することです。
1.総会の「賛成数の数え方」が変わりました
改正後の区分所有法では、普通決議は原則として、出席した区分所有者と、その議決権の各過半数で決める仕組みになりました。ただし、普通決議は規約で別の定めを置けるため、実際の管理規約の確認が必要です。
規約の変更などの特別決議も、原則として「全体の各4分の3以上」から「出席者の各4分の3以上」へと見直されました。この場合、区分所有者数と議決権のそれぞれ過半数が出席することが必要です。
区分所有者100人・各1議決権、60人が出席した例
75人以上
全体100人 × 4分の3
45人以上
出席60人 × 4分の3
※人数と議決権を同じ割合とした説明用の例。実際は両方の要件を確認します。規約による要件の加重や、特別の影響を受ける区分所有者の承諾等にも注意が必要です。
ここでいう出席には、書面や代理人によって議決権を行使する場合も含まれます。当日会場に行けない場合も、議案を確認し、意思を示すことが大切です。
出典:下記[1][2][3]。共用部分の変更は、工事内容によって普通決議・特別決議等の区分が異なります。
2.建替えは、出席者だけでは決まりません
総会の決議が見直されたからといって、建替えまで出席者だけで決められるわけではありません。建替え決議は、原則として区分所有者と議決権の各5分の4以上が必要です。
一方、耐震性の不足など、法律で定める一定の客観的な事由がある場合には、各4分の3以上へと要件が緩和されます。対象となるのは、耐震性・火災安全性の不足、外壁等の剝落のおそれ、配管の腐食等による衛生上の問題、バリアフリー基準への不適合といった事由です。
法令で定める基準への該当確認が必要です。建替え費用や仮住まい、所有者ごとの負担についても、別途検討しなければなりません。
出典:[1]。所在等不明者を決議の母数から除外する制度には裁判所の関与が必要で、単なる欠席とは扱いが異なります。
3.建替え以外の再生方法も検討しやすく
今回の改正では、建替えに加え、建物の主要構造部を活用して一棟全体を更新する方法や、建物・敷地を一括して売却する方法、建物を取り壊す方法などについて、多数決による仕組みが整備されました。
どの方法が適しているかは、建物の状態、敷地の条件、事業費、所有者の意向によって異なります。修繕して住み続ける場合も含め、複数の方法を比較することが大切です。各手法にはそれぞれの決議要件や手続きがあります。
出典:[1][4]。
4.所有者が今、確認したい3つの資料
| 資料 | 確認したいこと |
|---|---|
| 管理規約 | 改正法と抵触する条項がないか。総会招集手続きの開始時期に応じた決議要件になっているか。 |
| 長期修繕計画 | 次回工事の時期・内容・費用の見込みが、現在の状況に合っているか。 |
| 修繕積立金の資料 | 積立残高、滞納状況、将来の値上げや一時金徴収の予定があるか。 |
国土交通省は、改正法に対応した標準管理規約を公表し、各マンションでも管理規約を見直すよう案内しています。標準管理規約はあくまでひな型です。各マンションで規約の見直しが必要です。また、改正法に抵触する規約条項は、施行後に効力を失う場合があります。2026年4月1日より前に招集手続きを始めた総会には経過措置があるため、改正の手続き時期にも注意しましょう。
また、決議の手続きが変わっても、修繕費用が自動的に確保されるわけではありません。計画と資金の両面から、早めに状況を確認しましょう。
売却・購入を考えている方へ
売却や購入の際には、室内の状態だけでなく、管理規約、総会議事録、長期修繕計画、修繕積立金の状況を確認しましょう。建替えや積立金の増額などの検討が進んでいる場合には、今後の費用や暮らし方にも関わります。
横浜・上大岡周辺でマンションの売却をご検討の方は、管理状況も踏まえた売却の進め方について、お気軽にご相談ください。

